文字のサイズ 文字のサイズ:拡大文字のサイズ:縮小文字のサイズ:標準
ここから本文です

ミニ情報通信

令和3年度九州・沖縄ブロック会議が開催されました。

令和3年9月15日午後3時から、オンライン(ZOOM)により標記会議が開催されました。

最初に、栗原会長の挨拶があり、その概要は次のとおりです。

1)コロナ禍や最低賃金の大幅引き上げ等でご苦労も多いと思うが、全障協としても状況を注視しつつ、必要な情報提供等を行っていきたい。2)昨年4月に名称を全障協に改め一年半が経過した。皆様のご協力により新名称も徐々に浸透してきたのではないかと思われる。3)今年度で5年目を迎えた厚生労働省からの受託事業については、全国7ブロックに障害者雇用相談コーナーを設置するとともに、セミナーの開催準備も進めている。障害者雇用に課題等をお持ちなら、是非、気軽に相談コーナーを活用いただきたい。また、セミナーはオンライン開催のため地理的制約がないので、他ブロックのセミナーにも参加いただきたい。4)本年6月22日に通常総会を開催したが、コロナ禍により、文書対応を中心に、オンライン方式を組み合わせる形となった。書面議決書や委任状の提出にたいへんお手数をおかけし、ご協力に厚く感謝申し上げる。承認いただいた施策要望については、私が厚生労働省を訪問し直接提出した。5)本年7月には「障害者雇用状況調査」、8月には「今後の障害者雇用対策の検討のためのアンケート」と立て続けに回答をお願いした。たいへんお手数をおかけし、ご協力に重ねて感謝申し上げる。後者については結果を厚生労働省にも提供しており、今後の国の施策検討におおいに役立つものと期待している。6)特定のテーマごとに全国の会員に参加いただく研究部会の設置を進めており、第1号の「青年部会」ではオンラインによる事例発表や討論が活発に行われている。他のテーマによる研究部会も準備が進められているので、会員の皆様にも積極的な参加を検討いただきたい。7)コロナ禍が終息し、会員の皆様と直接お会いできる日が一日も早く来ることを祈念して開会の挨拶とさせていただく。

次いで田中九州・沖縄ブロック長の挨拶があり、1)コロナ禍となってやがて2年が経過するが、様々な影響があり、障害者の雇用すら守れなくなる事業所もだいぶあるのではないかと懸念している、2)コロナ禍が一日も早く終息し、皆様と直接お会いしてよりよい障害者雇用を進めることができるよう切に願っている、3)明日が明るい日であることを信じて挨拶にかえさせてただく、とのお話がありました。

開会のあいさつに続き、九州産業大学人間科学部教授の倉知延章 氏から、「障害者雇用の動向と今後の展望」と題して講演いただきました。最初に、厚生労働省の「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」報告書について紹介いただき、次いで雇用の質の向上の重要性等についてお話があり、その概要は次のとおりです。

1)障害者雇用は進展しているが、量が主眼で働き方には十分目が向けられていないのではないか。2)障害者雇用状況報告でみた増加雇用数は、障害者の就職件数より遙かに少ない。働き方が十分に満足できずに多くが離職してしまう、いわゆる「回転ドア現象」が生じているのではないか。3)中小企業ではハード面・ソフト面の受入れ体制整備についてノウハウが乏しい場合が多く、社内の受入れ体制整備でいかに雇用の質を高めるかが重要である。4)障害者が働くことについては、社会貢献の実感が得られることが最も大きな意義であり、役に立つことが実感できなければ、働く意欲、ひいては障害者の可能性を失わせてしまうのではなか。5)障害者が持てる能力を精一杯発揮できる環境の整備が雇用の質を高め、中小企業の障害者雇用も進展することになる。6)就労支援者には、企業支援についての意識と技術が求められている。就労支援者は、障害者の不得手をカバーする対処法など「どうすれば企業で働けるかを考える」支援への意識の転換が必要である。

講演に続いて質疑応答が行われ、障害者のニーズの把握の在り方、ジョブコーチに望まれること、障害者の加齢への対応等について活発な意見交換が行われました。

ブロック会議の後半では、まず、全障協本部から、@ 厚生労働省の令和4年度障害者雇用施策関係予算概算要求のポイント、A 全障協本部の最近の主な活動状況、B 令和3年度厚生労働省からの受託事業の進捗状況、C 全障協ホームページ、会員向けメールマガジンの活用、D 寄付のお願い等について報告がありました。

次いで九州・沖縄ブロック総会として、令和2年度会計報告、令和3年度事業計画案等について審議が行われた後、閉会となりました。