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ミニ情報通信

関東・甲信越ブロック会議が開催されました。

 去る2月17日(水)、伊藤忠商事東京本社ビル10階会議室において、今年度下期の標記会議が開催されました。
 当日は、まず最初に、当協会の栗原会長からあいさつがあり、1)障害者の雇用者数が過去最高を更新している中で、精神障害者の雇用の促進ということが全重協の会員企業にとっても大きな課題になっている、2)また、それ以外にも、全重協として財政面を始めとする様々な課題に直面しているが、こうした課題を解決する上でも会員を更に増やすことが必要であるといった話がありました。
 その後、ブロック会議第一部の障害者雇用推進セミナーということで、厚生労働省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長の尾崎俊雄様と株式会社博報堂DYアイ・オー代表取締役社長の田沼泰輔様のお二人から講演がありました。

講演講師の尾崎課長(写真正面中央)
講演講師の尾崎課長(写真正面中央)
 尾崎課長からは、「障害者雇用の現状と今後の障害者雇用対策について」と題して、資料の説明だけでなく、その背景にある事情や問題点等について、詳しく突っ込んだお話がありました。
 特に会員の皆様にとって参考となるポイントとしては、1)障害者の雇用が過去最高を更新する中で、特に精神障害者の雇用が進んでいるが、その背景には、事業主や就労支援機関等の努力に加えて、薬がよくなってきたことがあり、これについては、今後も更に改善が見込まれること、2)来年度予算で、ナカポツセンターの体制を強化するため、就業支援担当者等の増員要求を行っていること、3)ナカポツセンターについては、全ての障害保健福祉圏域に設置されるよう、更なる拡充を目指していきたいこと、4)ハローワークに配置された精神障害者雇用トータルサポーターを通じて、定着支援などの事業主支援を強化する予定であること、5)精神障害者を初めて雇用する事業主に対しては、トライアル雇用奨励金の支給額をこれまでの月額4万円から8万円に増額する要求を行っていること等が挙げられます。

講演講師の田沼社長(写真右端)
講演講師の田沼社長(写真右端)
 また、田沼社長からは、「博報堂における合理的配慮」と題して、「日本一働きがいのある特例子会社」を目指す同社における合理的配慮の取組の紹介や改正障害者雇用促進法の先を見据えた田沼社長の問題意識についてのお話がありました。
 同社では、昨年度から、障害を持つ社員と持たない社員が共に参加するダイバーシティ・インクルージョン推進委員会というものを設け、国の示す合理的配慮ガイドラインを踏まえつつ、同社としての具体的な合理的配慮の在り方、内容について検討し、障害の有無にかかわらず社員の満足度を向上させるための取組を進めています。
 また、今年度からは、障害種別に応じた適正な合理的配慮を提供することを目的として、各障害特性について社員が理解を深めるための研修を半年に1回のペースで開催しています。
 こうした取組は、この4月から義務化される障害者に対する合理的配慮を積極的に受け止めるものとして、他の会員事業所にとっても参考になるものですが、田沼社長は、こうした取組の先にあるものとして、今後は、障害者雇用の量的拡大から質的向上に向けて、障害者のキャリア自律が重要であると指摘されています。これについては、3月9日(水)に開催される当協会東京支部のオープン会議で更に議論が深められることになっておりますので、関心がお有りになる方は、そちらの方にも是非ご参加下さい(詳しくは、当協会HPをご覧下さい)。
 第一部の障害者雇用推進セミナーが終わった後は、本部からの報告ということで、当協会としてかねて要望していた障害者を雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長について、今年度末であった適用期限が更に2年間延長されたこと等の説明がありました。
 その後、丸物副会長の進行の下に、下期のブロック会議における全国共通テーマである「全重協の魅力の在り方」について議論が行われました。
 当日出された主な意見としては、1)昔総会の時にやっていた分科会を復活させてほしい、2)他の会員事業所の話を聞ける機会をもっとつくってほしい、3)いろいろな研修の情報や他のブロックの情報も知りたい、4)SNSやフェイスブックを活用してはどうか、5)メルマガも導入すべき、6)全重協の名前をもっとPRすべき、7)政策・制度要求も重要、8)障害者優先調達推進法に関する国や自治体の取組実績の見える化が必要といったように、他のブロックでは出なかった指摘も多く見られました。
 こうした意見を踏まえ、最後に、加藤副会長から、「かつては、助成金の情報が得られることが全重協の会員事業所にとってのメリットであったが、今と昔では状況が異なる。今後は、各ブロックで出された意見を踏まえ、全重協の魅力はこうだと言えるようにして、会員を更に増やしていきたい。」というあいさつがあり、活発な意見交換を終えました。