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ミニ情報通信

関東・甲信越ブロック会議が開催されました。

 去る2月27日(月)午後2時から、当協会会員事業所の博報堂DYアイ・オーの会議室において、標記会議が開催されました。
 当日は、新井ブロック長(埼玉福興株式会社代表取締役)の進行の下で、まず最初に、栗原会長から開会のあいさつがありました。
 栗原会長のあいさつのポイントは、1)全重協の魅力のあり方の議論の中で、かつて総会のときにやっていた分科会を復活させてほしいという要望が非常に強いことが分かった、2)このため、そのトライアルということで、関東・甲信越ブロック会議において特例子会社と中小企業に分かれた分科会を行うこととした、3)現在、厚生労働省の審議会で法定雇用率の見直しについて議論が行われているが、まだ具体的な数字は示されていない、4)神奈川県内の特別支援学校の卒業生のうち卒業後すぐに一般就労につくのは、全体の1割程度。その背景には、社会に出る前にもう少し訓練を受けさせたいという保護者の意向があるようであるが、こうしたことが本当に本人にとっていいのかよく考える必要があるということでした。
 栗原会長のあいさつの後は、その内容のとおり、分科会が行われましたが、このうち、特例子会社の分科会については、丸物専務理事から「今後の障害者雇用の課題」と題して講演が行われ、さらに中小企業の分科会については、近畿ブロック長の奥脇学氏(有限会社奥進システム代表取締役)から「奥進システムの取組から〜小企業における障害者雇用の意義〜」と題して講演が行われました。
 このうち、特例子会社分科会の講演の内容を簡単にご紹介しますと、1)最近は、働ける身体障害者が減少している一方で、働きたい精神障害者が増えているが、こうした中で、精神障害者が働きやすい就労環境の整備と企業が雇用しやすいようにするための雇用施策が必要、2)働きたいけど長時間は働けない精神障害者も多い中で、企業は短時間勤務制度を導入し始めているが、こうした場合の雇用率の算定方法についても検討することが必要、3)精神障害者の雇用管理のために精神保健福祉士等の専門家を雇用する企業も増えているが、その一方で、ピアカウンセリング、WRAP(元気回復行動プラン)SPIS(後述する中小企業分科会の講演の内容を参照)等により、精神障害者自らが自己管理する方法も有効、4)一般就労している障害者の中には加齢により作業効率が落ちている人もいる一方で、A型で働いている人の中にはもっと高い給与がほしいという人もいるが、こうした中で障害者がその状況に応じて一般就労と福祉的就労の場を循環できる仕組みが必要、5)法定雇用率の引き上げが進む中で、今後は、雇用の数だけでなく雇用の質についても考えることが必要、6)健常者、障害者双方の意識改革を通じて、障害に対する国民の理解を更に深めることが重要といったようなことでした。
 また、中小企業分科会の講演の内容は、1)小企業にとってはあくまでも仕事が第一。障害者雇用は社会に対する奉仕の一環として行っている、2)障害者雇用をうまく進めるポイントは働きやすい職場づくりを行うこと。例えば、在宅雇用により、障害者が体力を落とすことなく仕事を続けられる、3)精神障害者が働き続けやすいようにするためにSPIS(Supporting People to Improve Stability)を開発した。これは、障害者自らが選んだ生活面や社会面の評価項目について日々の評価をシステムに記録することにより、自分の毎日をモニタリングするもの。調子がいいとき、悪いときを目で見て確認していくことにより障害者自身の自己管理能力を育てるとともに、自分の状態を管理者や支援者に分りやすく伝えることにより、コミュニケーションを促進するもの。これにより、個々の障害者に対する配慮ポイントも見つけやすくなる。最近では、服薬の記録ができるような改良も行ったといったようなことでした。
 お二人の講演の後は、特例子会社と中小企業のグループに分かれて、それぞれの講演の内容に沿って議論を行いました。
 その内容を簡単にご紹介しますと、まず、特例子会社分科会においては、1)これまで雇用していた重度の身体障害者が定年等で退職した後で、実雇用率を維持するためには、短時間の精神障害者を多数雇用しなければならないが、法的雇用率の見直しに当たっては、こうした状況も考慮してほしい、2)こうした状況には、特例子会社だけでなく本社も含めた対応が必要、3)障害者に対する差別の禁止や合理的配慮が義務化された中で、特例子会社の在り方についてももう一度考え直すことが必要、4)雇用する障害者の高齢化が進む中で、障害者のキャリアパスをどう描き、給与面等の労働条件についてどう満足感が得られるようにするか改めて考えることが必要、5)特例子会社として障害を持った大学生を採用するために大学のキャリアセンターを訪問したが、そうした大学生の多くは特例子会社ではなく、一般企業への就職を希望しているといったようなことでした。
 また、中小企業分科会では、参加者全員が自己紹介を行った後、1)障害者の雇用をうまく進めるためには、雇用と福祉の連携が重要。新潟県では、企業、福祉、教育などが集まるネットワークが出来て、独自の冊子も発行されている、2)農福連携ということが今後の障害者雇用推進のポイント、3)奈良県では、全重協の会員企業が中心となって特例事業協同組合を作り、障害者優先調達推進法に基づく受注をうまく進めている、4)全重協のHPにある障害者優先調達推進法の対象となる事業所のデータベースについては、対象となるすべての事業所を網羅できるよう拡充すべきではないか、5)障害者の雇用を進める上で、個々の障害者に合わせた職場づくりということが非常に重要ではないかといった議論が行われました。
 以上が今回の分科会の概要ですが、この後行われた本部報告では、「今回のブロック会議では、長い間中断されていた分科会復活のための予行演習ということで、十分な時間もない中で特例子会社と中小企業という2つの分科会しかできなかったが、6月の総会の際には、特例子会社と中小企業の分科会だけでなく、それぞれを更に経営者と中間管理職の分科会に分けて全部で4つの分科会にするとともに、内容についても今回の予行演習の結果を踏まえて、より充実したものにしたい」という話がありました。
 今回の関東・甲信越ブロック会議の概要については以上ですが、当日は、さらに場所を変えて、参加者の情報交換会が行われ、引き続き障害者雇用に関する熱心な議論が行われました。