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ミニ情報通信

北海道ブロック障がい者雇用セミナーが開催されました。

 去る1月24日(水)午後1時から、標記セミナーが札幌サンプラザ(札幌市北区)で開催されました。
 このセミナーは、当協会が厚生労働省から受託した「障害者に対する差別禁止及び合理的配慮に係るノウハウ普及・対応支援事業」の一環として開催されたものです。
 当日は、まず最初に、当協会の栗原会長から開会のあいさつがあり、「本日のセミナーのテーマは、障害者雇用の可能性と課題ということであるが、こうしたことを改めて考えていただくことにより、障害者雇用は難しいというネガティブなイメージを払拭していただきたい」という話がありました。
 栗原会長のあいさつの後は、エフピコダックス兜沁R選別工場課長の且田久美様から、「今、なぜ障害者雇用なのか」と題して基調講演が行われました。
 且田様は、食品トレー製造大手の潟Gフピコの特例子会社であるエフピコダックス鰍フ障害者雇用責任者として、これまでグループ全体で約370人、取引先企業を含めると全部で約1,000人の障害者の雇用を創出してこられました。
 また、北海道においても、十勝平野の中西部にある芽室(めむろ)町において、地元の行政と連携してNPO法人プロジェクトめむろを立ち上げ、農福連携による障害者雇用に取り組んでおられます。
 且田様からは、1)エフピコでは、障害者が基幹業務において戦力として活躍している、2)多くの障害者を雇用することにより調整金を受け取ることができ、社会的にも評価していただいている、3)したがって、障害者雇用は弊社にとっていいことばかり。ネガティブなイメージはない、4)障害者の雇用は人口問題への対応にもなる。少子高齢化が進み、働き手が少なくなる中で、今後の会社経営は障害者の活用抜きには考えられない、5)エフピコでは障害者が楽しく働いている。途中で辞める人もほとんどいないといったお話がありました。
 且田様のお話は、今回のセミナーと同じく当協会が厚生労働省から受託している障害者活躍企業認証事業の理念にも通ずるものであり、企業の方が障害者を雇用しようと思えるような大変説得力のあるものでした。
 且田様のお話の後は、「障がい者の戦力化に向けた可能性と課題」というテーマで、シンポジウムが行われました。
 シンポジウムは、コーディネーター役の札幌学院大学人文学部准教授、松川敏道様の進行の下に進められ、松川様の「どうしたら障害者を戦力化できるのか」という問いかけに対し、まず、シンポジストの潟xネッセビジネスメイト代表取締役社長、櫻田満志様から1)障害者一人ひとりの適性や能力に応じて障害者が働きやすい職場環境を整備している、2)その人の適性に応じてリーダーを担ってもらっている人もいる、3)障害者に仕事をやりやすくするツールを準備したり、作業工程の見直しをすることによって、効率的に仕事をしてもらっているといった同社の取組について紹介があった他、4)障害者の雇用には、人の成長に喜びを感じることができる指導者が必要、5)障害者の雇用といっても実習やアルバイトも含めてできるところからやればいいのではないか、6)障害者の雇用は教え合いの世界。他の企業に聴けば、いろいろと教えてもらえるといったお話がありました。
 また、同じくシンポジストである当協会の丸物正直専務理事(元SMBCグリーンサービス椛纒\取締役社長)からは、1)精神障害者の受け入れに当たっては、当事者の話をよく聴き、信頼関係を構築することが重要、2)当事者からは、「同じ障害であっても必要な対応は一人ひとり異なるということを理解してほしい」「体調について聴くときも、ただ『だいじょうぶ?』と聴くだけではだめ。『今日は顔色が悪いけどどうしたの?』といったように具体的に聴かないと相手は応えてくれない」と言われているといったお話がありました。
 さらに、もう一人のシンポジストである札幌市自閉症・発達障がい支援センターおがるセンター長の西尾大輔様からは、1)障害者を採用する際には、支援機関の支援が継続して受けられるか確認することが重要、2)働く理由が明確な人の方が仕事も長続きする、3)重度の知的障害者の中には、まだまだ働ける人がいるのではないか、4)支援機関はいろいろな支援をしてくれる。最初から無理だと思わず、気軽に相談してほしいといったお話がありました。
 また、以上の各シンポジストのお話を受けて、且田様からは、1)障害者であっても仕事の生産性が問われる、2)障害者には具体的に指示することが重要。例えば、障害者の仕事のスピードが遅い場合、ただ「遅い」と注意するのではなく、本人のスピードが速いときと遅いときの動画を見せて、違いが具体的に分かるように指導している、3)障害者を雇用すると、相乗効果で健常者の生産性も上がる、4)障害者を指導するスタッフの役割は重要、人の成長に喜びを感じることができる人と支援機関、家族等のネットワークがあれば、障害者雇用はうまくいくのではないかといったお話がありました。
 以上のシンポジストの発言に対し、フロアから「障害者の雇用に当たっては、障害のない人に対する配慮も必要ではないか」という質問がありましたが、これについては、櫻田様から「障害者を指導する側が孤立しないよう、臨床心理士に話を聞いてもらうとともに、社内に定着推進課という組織を設け、支援体制を整備している」というお話があった他、且田様からも「人間には相性もあるので、障害者のすべてを受け止めなくてはいけない!という過大な貢献心や自己犠牲の感覚は必要は必ずしも必要ないのではないか」といったお話がありました。
 今回のセミナーについては以上ですが、当日は100人の参加予定を大幅に上回る172人の方々にセミナーにご参加いただくとともに、その9割以上の方々からアンケートにご回答いいただき、「大変役に立った」「役に立った」という評価をいただくなど、大変充実した内容のすばらしいセミナーとなりました。