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ミニ情報通信

北海道ブロック会議が開催されました。

図1 業務ステップのレベル分け
図1 業務ステップのレベル分け


図2 障害者のパフォーマンスの時間ごとの分析
図2 障害者のパフォーマンスの時間ごとの分析


図3 就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所
図3 就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所


株式会社テルベの前で
株式会社テルベの前で
 去る6月16日(木)と17日(金)の2日間に渡って、北海道北見市のホテルルートイン北見大通西において、標記会議が開催されました。
 また、会議第1日目の16日に(木)には、会議に先立って、当協会会員企業の有限会社北光舎の関連企業である成中(なりなか)クリーニング株式会社と同じく会員企業のクリーンリース株式会社の見学が行われました。
 成中クリーニング株式会社は染み抜き等のクリーニング、クリーンリース株式会社はホテルリネンサプライを主な事業としており、どちらの企業においても、洗濯物の洗浄から乾燥、プレス、折りたたみまでの全ての工程が機械化されており、障害者にとっても働きやすい職場環境となっていましたが、その一方で、少量の洗濯物に対応するため、一部で普通の家庭用洗濯機が使われているのも印象的でした。
 さらに、クリーンリース株式会社では、事業所の見学に加えて、同社の横堀常務取締役から、雇用する障害者のパフォーマンスを客観的な数字で把握し、それに基づいて、きめ細かく指導しながら、障害者のモチベーションを高めるという同社の雇用管理上の工夫について説明がありました。
 これについては、昨年度上期の北海道ブロック会議の開催結果報告の中でも紹介しましたが、もう少し具体的に説明すると、個々の障害者の作業能力を同社の数ある作業のうちどこまでできるかによって客観的にレベル分けするとともに(図1)、1日8時間働いて出した結果だけでなく、個々の時間帯ごとのデータを分析することで、その障害者のポテンシャルや弱点をよりきめ細かく把握するというものです(図2)。
 同社で働く障害者は、時給の額には差はないものの、作業レベルが上がると、それだけ就労の機会(=労働時間)が増えて、手取りの賃金が増えるとともに、マイカー通勤が認められるなど、働き方の裁量範囲が広がるそうです。
 第1日目の事業所見学は以上で、その後は、ホテルに戻って、ブロック会議が開催されました。
 会議では、まず最初に、北海道ブロックの池田ブロック長(株式会社特殊衣料代表取締役社長)から、事業所見学にご協力いただいた両社に感謝の言葉が述べられるとともに、北海道ブロックの会議としては、今回が過去最高の参加人数となったことが披露されました。
 その後、栗原会長から挨拶があり、1)去る6月7日(火)の総会で会長に再選されたことや、2)就労継続支援A型事業所を設立する際の要件を緩和するよう行政に要望していること、3)HPを通じて全重協の活動を積極的にPRしていくこと、さらには4)事務局の体制や予算に制約がある中でも、できる限り会員のニーズを踏まえて、全重協の魅力を高めるための取組を進めていきたいこと等について話がありました。
 また、栗原会長からは、これまで4年間に渡り理事として全重協の活動に尽力された有限会社ホクメンフーズ代表取締役社長の中野修二氏に感謝状が贈呈されました。
 さらに、その後、会長の挨拶を受けて、事務局から、昨年度下期のブロック会議において全国共通のテーマとなった「全重協の魅力の在り方」ということについて、これまでの議論の紹介やそれを踏まえた今後の対応等について説明がありました。
 事務局の説明の後は、会議に参加した会員企業から近況報告がありましたが、その中で最も多かった指摘が、雇用している障害者の加齢・高齢化の問題でした。
 これについては、北海道ブロックだけでなく、各ブロック共通の課題であることから、6月10日(金)〜11日(土)に開催された中部ブロック会議の開催結果報告の中でも指摘したように、全重協として、その対応について行政に要望していくこととしていますが、その一方で、今回見学させていただいた上記のクリーンリース株式会社では、他の会員企業の参考となるような取組をされていますので、ここで紹介させていただきます。
 具体的には、図3にあるとおりですが、同社では、加齢により作業能力が落ちた障害者を離職させるのではなく、自ら就労継続支援A型事業所を立ち上げ、そうした障害者の雇用をそこで継続し、その上で、A型事業所でも働けなくなった障害者については、段階的に福祉的な就労に移行させるという取組を進めています。
 また、最近は、障害者を雇用したくても雇用できる障害者がいないという声も各ブロックで聞かれますが、同社では、図3にあるとおり、就労移行支援事業所も立ち上げ、そこから同社での職場実習を通じて採用するという仕組みも作っています。
 こうした取組も、他の会員企業の皆様にとって参考となるのではないでしょうか。
 ブロック会議第1日目の公式行事については以上ですが、その後は、参加者一同、場所を変えて懇親を深めるとともに、更にその後場所を変えてからも、カラオケはほとんど歌わず、夜遅くまで障害者の雇用について熱い議論を続けました。
 続くブロック会議2日目は、あいにくの雨の中でしたが、やはり当協会会員企業の株式会社テルベを見学しました。
 同社は、イトーヨーカ堂の特例子会社として1994年3月に設立され、現在は、セブン&アイ・ホールディングスグループの特例子会社となっています。
 「テルベ」という同社の社名は、「緑の大地」「肥沃な大地」「物を創り出す大地」という意味のフランス語だそうです。 同社の事業は椎茸の栽培と印刷で、社員27名のうち17名が障害者となっています。また、障害別の内訳は、上肢・下肢障害4名、聴覚障害4名、内部障害2名、知的障害7名となっています。
 当日は、同社の福嶋取締役所長から会社概要について説明があった後、椎茸事業部、印刷事業部の順に見学させていただきましたが、椎茸事業部では、椎茸の品質や大きさが容易に判断できるよう具体例を写真で示したり、リングを用意する等、障害者にとっても仕事がしやすくなるような工夫が行われていました。
 また、印刷事業部では、紙を切断する機械で手を切るような事故が起きないよう、機械を動かす際は両手でボタンを押さないと動かないようにするなど、障害者を含めた労働者の安全面にも十分な配慮がなされていました。
 さらに、作業環境以外の福利厚生面でも、例えば1)身体障害者用の駐車場に屋根だけでなく、冬場、社屋までの通路に雪が積もらないようロードヒーティングを入れる、2)同じく身体障害者用のトイレに便器だけでなく、体が洗えるようなシャワーを付ける、さらには3)社員食堂で車いすの障害者が好きな小鉢を選びやすくするために、小鉢を載せる台を低くするといったようなきめ細かな配慮が行われていました。
 ブロック会議2日目の行事は同社の見学をもって終わりましたが、今回の北海道ブロック会議は、他のブロックの参考にもなる多くの知見が得られた実り多い会議でした。