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ミニ情報通信

中・四国ブロック会議が開催されました。

 去る9月13日(火)午後3時から、島根県松江市の島根県民会館大会議室において、標記会議が全重協と島根県の共催により開催されました。
 会議は、全重協の会員以外も参加した第1部の研修会と会員のみ参加の第2部に分けて行われましたが、第1部の研修会では、「改正障害者雇用促進法について(障害者雇用における『差別禁止』と『合理的配慮』について)」と題して、厚生労働省障害者雇用対策課の川口分析官から講演が行われました。
 改正障害者雇用促進法の内容の詳細は、厚生労働省のHPに掲載されていますが(ここをクリックして下さい)、川口分析官のお話の内容について、会員の皆様に特にご参考となると思われるポイントをご紹介しますと、

  1. 企業規模別に見た障害者の実雇用率については、全国平均では50〜100人未満の企業が最も低くなっているが、都道府県別に見ると必ずしもそうではなく、岡山、徳島、香川等10県では、これらの企業の実雇用率は県全体の実雇用率を上回っていること
  2. 本年4月から7月までのハローワークにおける障害種別の職業紹介状況を見てみると、身体障害者については、新規求職申込件数、就職件数ともに減少しているが、精神障害者についてはいずれも大きく伸びていること(つまり、ハローワークに仕事を探しに来る障害者については、精神障害者が多くなっているということ)
  3. 障害者に対する差別とは、障害者であることを理由として障害者以外の者と異なる取り扱いをすることであること
  4. 合理的配慮とは、障害者にその能力を十分発揮してもらうために、障害者にとって働きやすい職場をつくることであり、当たり前のことを当たり前にやっていれば特に心配することはないこと
  5. 合理的配慮として具体的に何をするのかということについては、個々の障害者の事情によって異なるものであり、障害者と事業主がよく話し合って、お互いの相互理解の下に実施されるべきであること
  6. 障害者が求める合理的配慮が事業主にとって過重な負担となる場合は、必ずしもそれを実施する必要はないが、そのことを障害者によく説明する必要があること
  7. 合理的配慮の事例集は、現在第二版が厚生労働省のHPに出ているが、更に事例を集めていること
  8. 障害者に対する差別の禁止や合理的配慮に関し、本年4月から7月までに全国のハローワークにあった相談は、全部で65件となっており、障害者からの相談が多くなっていること。また、このうち、事業主に対して是正指導を行ったものは2件であること。さらに、障害者雇用調停会議や都道府県労働局長による助言・指導・勧告まで至ったケースはまだないこと
等です。
 障害者に対する差別の禁止や合理的配慮いうことについては、具体的にどうしたらいいか分からないという事業所もまだ少なくないと思われる中で、川口分析官のお話は大変分かりやすいものであり、当日は、会員事業所以外に、島根県内の事業所や就労支援施設等の関係者を含めて約100人の参加者が熱心に話に聴き入っていました。

 以上が第1部の研修会の概要ですが、この後は、第2部ということで、会員のみのブロック会議が行われました。
 当日は、まず最初に、中・四国ブロックの柏木ブロック長と栗原会長から、それぞれあいさつがあり、その後、来賓としてご出席いただいた島根労働局職業安定部長の大橋泰之氏や島根県商工労働部長の安井克久氏等の紹介がありました。
 さらに、その後、本部の説明や加藤副会長(兼島根県支部長)から会員アンケート調査結果の報告がありました。
 このうち、会員アンケート調査の結果をご紹介しますと、会社の経営状況(本年2月と比較した状況)については、「良又は変わらない」が過半数を占めていましたが、その一方で、仕事量の減や原料の高騰等により「厳しい」とする事業所も4割以上ありました。
 また、障害者の雇用状況については、「増」、「減」は少なく、「変わらない」が75%と最も多くなっていましたが、「若者の確保が困難。」という声も聞かれました。

 ブロック会議については以上ですが、当日は、これに先立って、和光産業株式会社と社会福祉法人若幸会の見学が行われました。
 和光産業株式会社は、会員の皆様はご存知かと思いますが、加藤副会長が代表取締役を務める会社で、コンクリート製品の製造等を行っています。
 現在、従業員74人のうち11人が障害者で、うち9人が知的障害者、2人が身体障害者となっています。
 また、障害者11人のうち5人が勤続年数31年以上と、勤続年数が非常に長くなっています。
 こうしたことの背景には、和光産業と同一の敷地内に就労移行支援や就労継続支援(A型、B型)を行う事業所(株式会社シンワ、わこう苑、わこうの里)のほか、大豆の栽培や豆腐の製造等を通じて、和光産業とともに障害者に一般就労の機会を提供するアグリわこう株式会社が設置されているだけでなく、障害者の生活の場となるグループホーム(わこう苑、ワコウハウス、わこう寮、ワコウホーム)や地域密着型の特別養護老人ホーム(わこう荘)、さらには小規模多機能型居宅介護事業所(くつろぎわこう荘)など、障害者の就労と生活を支える諸施設が一緒に設置されていることにより、障害者が安心して働き続けやすい環境が整っているということもあると思われます。
 これらの就労移行支援や就労継続支援、さらにはグループホームや特別養護老人ホーム等を運営しているのが同じく加藤副会長が理事長を務める社会福祉法人若幸会です。
 これらの諸事業所、諸施設は、下図のように、特別支援学校を卒後した障害者等が就労移行支援等を経由して一般就労に円滑に移行し、その後加齢、高齢化により作業能力が低下した場合は、就労継続支援B型に移行するとともに、最終的に職業生活から引退した場合には、必要に応じて老人ホームに入所できるというように、障害者の人生そのものを支えることができる自己完結型の仕組みとなっています。
 現在、全重協の会員事業所の多くが、雇用している障害者の加齢、高齢化という問題に直面していますが、以上のような仕組みもこうした問題を考える際のひとつの手がかりになるのではないでしょうか(文責事務局)。

障がい者自立支援の道の図、生活を支え、就労を支え、人生を支え